'97年10月31日   蛭子能収
 リード文

   週に6日は東京暮らし おまけに本番前
   というよりスタジオに入る直前、全身白タイツで一人隠れながら、
   「変にドキドキするわ」と、これからちょっとスベることも知らずに興奮していた僕たちよゐこは
   本当にたくさんの芸能人に会います。そのときの様子を
   楽屋に入ってすぐエロ本を読みながら、「平成9年って最近ですか?」と、
   みんなで支えてあげないと一人で生きていけないような質問をしていた力弱い人生でお話しします。


 濱口

   この前、「怪傑コージ園」に出演した。その時、蛭子能収さんに会った。
   今田さんと東野さんとよゐこでマンガを書いて雑誌に載せてもらおうという企画をやった。
   その時に先生として蛭子さんがやって来たのだ。
   蛭子さんは、実は漫画家で、マンガの絵がすごくうまいのだ。
   マンガの背景とかを切って貼るスクリーントーンを、蛭子さんは自分のやつを使っていた。
   そして、それがなくなったりしていたら、目の色を変えて怒っていた。蛭子さんめっちゃセコかった。
   本番が終わり、現場を片づける蛭子さん、スタッフが用意したスクリーントーンをパクッて帰ってた。
   おわり

 有野

   今日、蛭子能収さんに会った。
   マンガを書く企画だったので、みんなで書き始めると、
   スクリーントーンのバリエーションが少なすぎるということに気付いて、どうしようと言っていると、
   かっこよく蛭子さんが、きったないかばんから出してくれた。
   厚紙にきれいに挟み込まれたスクリーントーンを太っ腹に出してくれた。
   みんなが雑にもったいなく使っても、目の色を変えるだけであまり文句を言わなかった。
   けど、スクリーントーンを挟んでいた厚紙を、ADさんがカンペとして使うと、すごく怒りだした。
   つばをたくさん飛ばして、たっかい声で怒っていた。
   「そんな言葉、口で言えばいいじゃん!」的なことを、白髪混じりの赤い顔で怒っていた。
   最後には、照明さんが持っていた厚紙をもらっていた。んでまた、ちょっと飛び跳ねて喜んでいた。
   マンガの編集の人もいてはったので、聞いてみた。
   「やっぱり、マンガの道具をあんな風に使われると怒るもんなんですかねぇ」
   「そうですねぇ、普通はスクリーントーンの方を雑に使われると怒るんですけどねぇ、厚紙で怒る人は初めてですよ」
   蛭子さんを見ると、せっかくもらった厚紙にジュースをこぼして、やっぱり顔を真っ赤にして拭いていた。
   蛭子さんて、見た目通りで漫画界でも落ちこぼれなんやなぁと思った。
   おわり